何かあるとすぐに怒り出す上司、あなたの周りにいませんか。
一言にキレる上司と言っても、いつもイライラしている上司もいれば、普段は穏やかだけれども、突然キレだす上司もいます。
キレるポイントはそれぞれ異なります。
ただ、言われる側からすれば怒鳴られることは決して気分のいいことではないですね。
すぐにキレてくる上司への有効な対処法はあるのでしょうか。
今回はキレる上司についてまとめていきます。
Contents
すぐキレる上司の特徴
マネジメントスキルがない
スポーツの世界では「名選手=名監督とは限らない」という認識があります。
仕事でも同じで「自分が動いて仕事を行う」ことと「人に動いて仕事をしてもらう」ことでは、必要な能力が異なります。
マネジメントスキルがない上司の場合は「自分が思っているように部下が動いてくれていない」ことが原因で、ストレスをためることになります。
そのストレスが怒りとなって表れて「キレる」という行動に移ってしまうのですね。
察してほしいという意識
マネジメントスキルのない上司は、説明が下手であったり物事を人に伝える能力が低かったりします。
物事を大雑把にしか説明しないため、部下への説明や仕事の振り分けが曖昧で、現場が混乱することがありますね。
この時に上司が「部下に伝わらないのは自分の説明に原因があったのかもしれない」と考えるのか「そのぐらいのこと、察してくれて当然」と考えるかの2択ですが、マネジメントスキルのない上司は後者の可能性が高いので、改善は期待できないでしょう。
「外国人は空気を読めないから」と上司が言っていたら要注意
ビジネスの場で「察してほしい」という考えは、これからは捨てたほうがいいです。
グローバル化が進行している現代において、外国人と仕事を共にする機会はますます身近になっていきます。
「ハイコンテクスト、ローコンテクスト」という言葉をご存じでしょうか。
これは、コミュニケーションに対するスタンスの違いで、国によって文化が異なります。
ハイコンテクスト文化とは、価値観が近いのでコミュニケーションの際に、多少言葉足らずでも相手の意図を察して何となく理解できてしまう状態です。
日本はこちらに当てはまりますね。
ローコンテクスト文化はその真逆で、言語化されたことに価値を置く文化なので、細かいところまで指示、確認しておかないと「意図したとおりに動いてくれない」となってしまいます。
アメリカやドイツをはじめとした多くの欧州諸国が当てはまります。
日本が世界的に見たらかなりのハイコンテクスト文化なので、そのことを意識しておかないとコミュニケーションはうまくできませんね。
ちなみに、近年は日本人の中でも「価値観の多様化」が進み、ローコンテクスト化が進行しているといわれています。
察してほしいタイプの上司の場合は、今後はそのやり方は通用しなくなることを頭に入れておいておきましょう。
そして、上司の指示が足りないと思った時に「そのことをメモしておくこと」です。
察してほしい上司の場合は「説明不足」な特徴があるので、どういった時に自分が「説明不足を感じるか」をメモしておくことで、自分が上司になったときに役立ちます。
たまにですが、説明は下手だけど「仕事が飛びぬけてできる人」がいます。こういう上司の場合は、苦労を買ってでも付いていった方がいいです。そして、相手の話していることを察する努力をした方がいいです。
なぜなら、自分の能力を飛躍的に引き上げられるチャンスだからです。
察することも時間と体力を使う行為なので、察する相手を選んでいくことは大切です。
キレている自覚がない
キレる上司は「自分がキレている自覚がない」場合もあります。
鈍感とかそういう類の話ではなく「仕事に対して熱血なスタンス」「自分に対してもストイックな人」に見られる傾向です。
自分の仕事に対して「熱」を持っているので、部下になにかを指示、指導するときにも自然と口調が強くなってしまうという事です。
「自分の中に高い目標」があり「それを実現するために進んでいる」過程で、仕事に対して力が入っている状態です。
この力強さを保ったままコミュニケーションをとるので「キレているのではないか」と感じさせることがあります。
こういうタイプの上司の場合は「口調が強いことで損している」ことに気が付いていないケースがあるので「言い方がきつい」ことを伝えると、口調の強さが収まったりします。
プライドが高い
プライドが高い上司も存在しますね。
プライドが高い上司の場合は「自分が馬鹿にされることをひどく嫌う」傾向があるので、コミュニケーションの際に注意しなくてはなりません。
このタイプの上司が一番「コストがかかる」ことになります。
たとえ能力が伴っていなくとも「尊敬している態度」を取っておかないとすぐに怒り出すからです。
部下に嫉妬している
部下の能力の高さに嫉妬している上司も存在しますね。
能力の高い部下が気に食わないので「キレること」でコントロールしようとします。
上司の権限を誤った方向に使用している典型的な形で、このことが原因でパワハラ、モラハラにつながっていくことが多いです。
能力の高さを発揮しつつ上司を立てるような行動をとっておくと「キレられる対象から外れる」可能性も高くなります。
キレている原因があなたとは限らない
上司の機嫌が悪いからと言って、あなたが原因でないことも多いです。
まず初めに「必要以上に自分に原因があると考えないこと」が重要です。
上司であっても人間なので、感情的に不安定になっている時期も存在します。
- 会社からのノルマがきつい
- 会社からの扱いに不満がある
- 親の介護が大変
- 子供の進学で頭を悩ませている
- 夫婦仲が良くない
- 自分の健康のことで不安がある
このように、上司自身にもストレスがあることが原因で、部下にキレてしまうこともあります。
「私生活のことまで仕事にぶつけるなよ」と思うかもしれませんが、人間なので仕方のない部分はあります。
必要以上に自分を責めるのは良くない
上司に怒られたからという理由で「自分がダメなんだ」と簡単に認めてしまう事はよくありません。
「上司」という肩書があるので、その「権威性」から上司の発言には人を納得させてしまう力があります。
権威性に反応するのは人の特性ですね。
権威性があるゆえに、私たちは上司の発言を無意識のうちに「正しい」と解釈します。
例え、上司の発言が正しくなくてもです。
相手の言っていることは本当に正しいのか
キレられたことをそのまま鵜吞みにするのではなく、自分の頭で上司の発言を整理して、本当に上司が正しいことを言っているのか考える癖をつけることをおすすめします。
うまくできない場合は「同僚や部下が同じ内容を発言していたらどう感じるか」をイメージしながらのほうが整理しやすいかもしれません。
一旦「権威性」を外に追い出して考えてみることです。
「ダメ出しされたけど本当にそうなのか?」
を考えて、本当に自分がダメだったら反省すればいいですし、そうでなければ自分を責める必要はないですね。
キレる上司への対処法を学ぶ
キレる上司は一種の特性です。
そんな上司を前にしたときは、スルースキルを高めて一歩引いた眼で見ていくことが大切です。
関わる時間を少なくする
キレる上司をコントロールすることはできません。
であれば、なるべく関わる機会を減らしておいた方が「自分がキレられる」回数は少なくて済みます。
例えば、業務の報告はまとめて行うなどですね。
こまめに連絡を入れるよりも、まとめて報告してしまった方が関わる回数は少なくて済みます。
無駄に絡む時間を増やさないことがポイントです。
緊急性の高いものなど、仕事によっては速めに報告をしなければならないものも存在します。報告を面倒くさがると「あとで大変になる」こともあるので、この場合は連絡を密に取っておく必要がありますね。
キレるタイミングを把握しておく
キレる回数が多ければ多いほど、相手のキレるポイントを把握することができますね。
自分だけで分析するのではなく、周りの意見も参考にしながら「キレるタイミング」を把握しておいた方が、精度は上がります。
特に、上司が抱えている仕事を把握しておくことがいいですね。
上司も自分の仕事内容によってストレスの度合いがまちまちです。
人事などの「調整がらみ」でストレスを抱えているのか、新しいプロジェクトでストレスを抱えているのか、得意先からの無茶ぶりでストレスを抱えているのかがわかれば、その山を越えたタイミングで報告を調整したりできます。
キレていたら「今日も平常運転」と思う
キレる上司は、キレることが「習慣化」しているようなものです。
いつもと変わらないので「今日も平常運転」と思っていいでしょう。
取るに足りないことや些細なことでキレていることも多く、自分がピリピリすることに自分自身で慣れてしまっているのですね。
同じ仕事をしていても「キレる上司とそうでない上司」がいるのを見ればわかるとおり、キレる上司はそのこと自体が一種の生物の「特性」みたいなものです。
責められっぱなしにしない
適切な反論は必要です。
言いたいことを言うのではなく、必要最低限の言うべき事実を伝えるという事です。
例えば業務内容を報告したのに、上司自身がそのことを忘れていて
「なんで報告しないんだ」
ってキレていたとしましょう。
その時に、しっかりと「報告したことを主張」することです。
報告した日時までしっかりと主張できた方が説得力がありますね。
報告内容は記録が残るタイプのものだとさらに良いですね。
しっかりと自分がやったこと、その事実を把握しているタイプだと上司に刷り込ませれば、根拠もなくキレられることが少なくなります。
一種の牽制ですね。
行き過ぎの場合はパワハラの可能性あり
扱いの内容や発言内容によっては「パワハラ」認定されてもおかしくありません。
特に「プライドが高い」上司や「部下に嫉妬する」上司は「感情で動いている」部分が大きいので、相手を傷つける扱いや発言をして「自分の心」を保っていることもあります。
ただ、このタイプの上司は根本的に満たされないものを抱えているので、「キレる」という行動は自分の感情への一時的な「対処療法」となっているだけです。
同じ対処療法で満たされなくなってくると、どんどんやり方はエスカレートしていきます。
一線を越えたなと感じた場合や、自分が辛いと感じた場合はしっかりと相談することが大切です。
- 同僚に相談する
- 職場に相談する
- 外部の専門的な機関に相談する
自分一人で抱え込むことは良くないので、客観的な目線で他の人から判断してもらうことが大切ですね。